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米図書館で「ソードアート・オンライン」が禁書に…「表現の自由」を守るNPOが懸念
「表現の自由」を守るために活動をしているアメリカのNPO「コミック弁護基金」(Comic Book Legal Defense Fund)の事務局長・チャールズ・ブラウンスタイン氏が来日し、10月29日に東京都文京区で、最新のアメリカにおけるマンガ規制について講演を行なった(主催:コンテンツ文化研究会とNPO法人うぐいすリボン)。ブラウンスタイン氏によると、かつてアメリカで吹き荒れたマンガやコミックに対する弾圧は下火になっているものの、図書館ではいまだ子どもたちが自由にマンガを読めず、検閲行為が行われているという。また、トランプ政権下において、両極の表現が先鋭化し、表現活動が萎縮している状況について語った。 (弁護士ドットコムニュース・猪谷千香)
裁判の様子をイラストで伝える「法廷画家」 どんなふうに仕事をしているの?
テレビや新聞の裁判のニュースで、法廷の様子を伝えるために用いられるイラストを「法廷画」という。日本では、法廷内でのカメラ撮影が厳しく制限されていて、被告人が入廷する前の冒頭シーンしか撮影が許されていない。そこで、被告人や検察官の様子などを視覚的に伝える手段として「法廷画」が用いられているのだ。
「法廷画家になるのに、資格や許可はいりません」。そう語るのは、法廷画家として10年以上のキャリアを持つイラストレーターの榎本よしたかさん。「裁判所には"常駐の法廷画家"がいると考えている方もいるようですが、実際は私のようなイラストレーターがテレビ局などの依頼を受けて描いています」
では、どうすれば法廷画家になれるのだろうか。そもそも、法廷画家とはどのような仕事なのだろうか。榎本さんに話を聞いた。
電通裁判、傍聴した高橋まつりさんの母親「複雑だけど感慨深い」「虚しさもあった」
高橋まつりさんの過労自殺を発端とした電通の違法残業事件で、労働基準法違反の罪に問われた同社の初公判が9月22日、東京簡裁で開かれ、即日結審した。検察は50万円を求刑した。
閉廷後、裁判を傍聴した、まつりさんの母・幸美さんが厚労省記者クラブで会見を開き、「(娘はかえって来ないので)非常に複雑だが、感慨深い心境があった」と内心を語った。
裁判には山本敏博社長が出廷し、幹部3人が過労自殺したまつりさんを含む従業員4人に、違法残業をさせたことを認め、反省とお詫びの言葉を述べた。これに対し、幸美さんは「電通は、娘が入社する前にも(労働環境改善についての)立派な計画を発表していました」「遺族としては、にわかに今日の社長の言葉を信じることはできません」と厳しい表情で語った。
記者から裁判の中で印象的な場面は、と問われた幸美さんは「電通のずさんな労働時間管理や認識の甘さ、おざなりな対応で(まつりさんが)亡くなったと検察が述べてくれたこと。気持ちを代弁してもらえた」と答えた。
一方で、裁判の争点はあくまで違法残業(労基法違反)で、過労死の責任ではなかったことについて、「虚しさもあった」と述べた。
幸美さんの代理人を務める川人博弁護士は、「東京簡裁が略式裁判ではなく公判を開いたことは、労基法違反の持つ重大性を知らしめる効果が大きかった」などと話した。
電通の山本社長も閉廷後、司法記者クラブで記者団の取材に応じ、「責任の重さを痛感した」「ご本人にもご遺族にも心からおわび申し上げます」と頭を下げた。
「正義マン」と馬鹿にされても「未然に防いでナンボ」 性犯罪許さない男性の生きる道
男性が一緒に飲んでいる女性に睡眠薬入りの酒を差し出した。そのことに気付かず、女性が口にする。その直後、捜査員が現場に踏み込んだ――。
大阪市の居酒屋で2020年9月、店主を含む男性3人が、30代女性に睡眠薬入りの酒を飲ませて、性的暴行しようとしたとして、準強制性交等未遂の疑いで逮捕された。
この事件をめぐっては、都内に住む民間人の男性、日下鉄也さん(34)が、警察に情報提供するなど、被害を食い止める一役を買った。
ツイッターで「性犯罪を絶対に許さない会」というアカウントを立ち上げた人だ。(ライター・渋井哲也)
「不倫の代償」中絶・退職までしたのに・・・「慰謝料300万円」は高すぎないか?
産みたかった子供を中絶した。仕事も辞めて社会的制裁も受けた。それなのに、さらに300万円もの慰謝料を請求された――。ある女性から、こんな切実な相談が、弁護士ドットコムの法律相談コーナーに寄せられた。
もともと関係を迫ってきたのは不倫相手の男性で、離婚を考えていると言い、妻と別居も始めていた。相談者が妊娠したときも、「認知と養育費は責任取りたい」「離婚できたら一緒になってくれないか」と言っていたという。
ところが、不倫相手はその後、態度を一変。事態を知った妻が自殺を図ろうとしたとして、「本当に死ぬかも知れないから中絶してくれ」と強要してきた。相談者はさらに、職場に不倫を報告されて退職を余儀なくされた。そのうえ、不倫相手の妻から300万円もの慰謝料を請求されたのだという。結局、不倫相手は離婚していないそうだ。
相談者は慰謝料を払うつもりはあるが、金額が高すぎると考えているようだ。退職や中絶を余儀なくされたことなどを理由に、慰謝料を減らしてもらうことはできるのだろうか。柳原桑子弁護士に聞いた。
学術会議「任命拒否」の理由不開示に不服、学者らが審査請求
日本学術会議の会員候補6人が菅義偉首相から任命を拒否されていた問題で、任命拒否された学者らが8月20日、拒否の理由などの情報を開示しないのは違法だとして、不服審査請求をおこなった。
任命拒否された学者6人と法律家グループは今年4月、個人情報保護法や情報公開法に基づき、情報公開請求したが、黒塗りの上での一部開示や、文書不存在による不開示などの決定が出ていた。これらの決定に不服を申し立てたもの。
今後は「情報公開・個人情報保護審査会」の諮問にかけられ、決定の妥当性について同審査会が調査・答申する。
総務省サイトより(https://www.soumu.go.jp/main_content/000401131.pdf)
任命拒否された早稲田大学の岡田正則教授(行政法)は当日の記者会見で、「行政が、やりっぱなしで説明をしない、根拠を示さない。これを正すために、情報公開法などがある。審査会には、行政機関の違法行為をきちんと是正する役割を果たしてほしい」と述べた。
コインハイブ事件 高木浩光氏「刑法犯で処罰されるものではない」公判で証言
自身のウェブサイト上に他人のパソコンのCPU(処理装置)を使って仮想通貨をマイニングする「Coinhive(コインハイブ)」を保管したなどとして、不正指令電磁的記録保管の罪に問われたウェブデザイナーの男性(31)の第2回公判が1月15日、横浜地裁(本間敏広裁判長)であり、セキュリティ専門家の高木浩光氏への証人尋問が行われた。
上司に徹底的に嫌われ、人事評価が最低に…会社に評価のやり直しをさせることは可能?
サラリーマンにとって、人事評価は自分の運命を決めることもある重大なイベントです。ただし、上司の好き嫌いで決まってしまうケースもあり、その理不尽さに悩んでいる人もいるようです。
インターネットのQ&Aサイトでも、どれだけ功績をあげようと全く評価されず、勤務評価は最低となってしまった人のエピソードが紹介されていました。上司に徹底的に嫌われたため、ミスは全て自身の責任にされ、功績は全て上司のものになっていました。社長に直訴して改善に向かったとのことです。
あまりにも不当な人事評価で、減給・降格という事態になった場合、会社に対して、評価をやり直させることはできるのでしょうか。人事評価は上司の自由にできるのでしょうか。光永享央弁護士に聞きました。
「パタハラ受けた」三菱モルガンを訴えた元社員が敗訴、記者会見が影響?
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の元社員でカナダ出身のグレン・ウッド氏(50)が、育児休業から復帰後、業務から不当に外され、うつ病を発症し休職・解雇に追い込まれたとして、約1300万円の慰謝料や社員としての地位確認などを求めた訴訟の判決が4月3日、東京地裁であり、佐久間健吉裁判長は請求を棄却した。
ウッド氏は2017年12月、記者会見を開き、育児休業前後の会社の対応が「パタハラ(パタニティ・ハラスメント)」に当たると主張するなど、注目を集めていた。ウッド氏は、近く控訴する予定。
「メディアは実名報道へのこだわりに腰が据わっていない」元記者の大学教員が苦言
実名報道をめぐっては議論が絶えない。多くのメディアは「実名が基本」という立場だが、社員や警察官など「身内」の不祥事は匿名が珍しくない。これに対し、事件事故の被害者の実名公表は度々物議を醸しており、「ダブルスタンダード」とも揶揄される。そもそも犯罪報道であれば、実名報道により冤罪や更生の阻害などの可能性も生じる。
鹿児島の地方紙・南日本新聞の元記者で、鹿児島大学でメディア論を教えている宮下正昭さんは、メディアの実名へのこだわりに腰が据わっていないと指摘する。特に容疑者の実名報道に不十分な点が多く、実名報道を続けるなら「報道の本気度が問われる」という。望ましい報道のあり方について寄稿してもらった。